  

絵を描いていたり、物を作ってたりするのが好きで、デザイナーになりたいというのは小学生の頃からイメージがあって。その時はジュエリーではなくて、洋服のデザインばっかり描いてました。デザイナーになりたいって、小さい頃からずっと思い続けてました。
美術の大学に行きまして、教員になるかどうするかという時に、自分で物を作って表現したいというのがすごく強かったんです。
ちょっとしたキッカケもあって、ヨーロッパをずっとまわってました。
転々と美術館とかそういう場所を勉強しながら回っていくうちに、ジュエリーに興味を持つようになったんです。
長い期間をかけて、自分のやりたいこと事を考えていく時間を作ったんですよ。大学の頃も考えていたし、卒業してからも考えていました。 |
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私がジュエリーのデザインを始めた頃は、工芸品として作るデザイナーの方はいらっしゃったんですけど、デザインをメインでする方は少なかったですね。ジュエリーデザイナーを職業としている方が少なかったんですよ。
デザイナーとして描いて欲しいと頼まれた時に、デザイナーとしての勉強だけをしたわけではないので不安もあったんですが、描き始めたらドンドンイメージが湧いてきて。
これは絶対天職だなと思って、単純に(笑)。
イメージがドンドン湧いてドンドン描けたんですよ。
だからこれはきっと私の仕事だと思ってそれで始めたんですよ。
結構単純なんです、私。
教師になって何かを教えると言うのも素晴らしい事だと思いますが、自分が表現できるものを創って、それを認めていただいて、それが仕事に出来たら最高にいいなと。そんなことを学生時代に考えて、直ぐスタートしちゃったんですよ。
デザインすることが一番楽しかったので、初めは色んな会社と契約してデザイナーとして提案をしていきました。 |

ジュエリーのデザイナーとして勤めた時期もありますよ。
ホントに短かったんですけど(笑)。
勤めてた時はジュエリーをつける方がどんなものを求めていて、どういうイメージで着けていただくかというのは、直接お客様と会ってお話をすることで、ものすごくイメージが膨らむんですよね。
まだその頃は若かったので、お客様から教えていただくことが多かったですね。ジュエリーを着ける方々なので、年齢も上でオシャレもすごく好きな方が多かったから、いろんな事を教えていただきました。ジュエリーを身に着けていらっしゃる姿を私が直接見たり、どんなヘアースタイルなのかを感じ取ってデザインをするほうがいいし。
その当時から「リファイン」という仕事を続けています。
「リファイン」というのは、その方が受け継いだジュエリーを新しいデザインに蘇らせるという仕事です。
その方の背景や歴史を、お母様、おばあ様からお伺いして、こんな想いを込めて、この方にあげられたんだろうなっていう贈り手の想いを新しいデザインの中に入れながら作っていくと、その方にすごくピッタリな物が出来るんですよ。 |
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石は天然のもので、何億年も何万年も、何千年もかけて地球が育んだものじゃないですか。この地球上に出てきてやっと人に着けてもらって、石もすごく嬉しいんですよね。
人が付けることで本当にキラキラって喜ぶんですよ。
気に入った石とデザイン、それにピッタリ合う方が出会った時に双方が輝くんですね。そのジュエリーを着ける人もそうなんですが、石も喜ぶっていうのも明らかにあるんですね。
石と人を上手につなぐのが私の仕事だと思ってます。
直接お客様にお会いすると、その方の波動みたいなものを受けるんです。そして、宝石の神様みたいなものが降りてきて、それを感じながら宝石とお客様をつないぎます。そのほうが石も人もお互いにすごく幸せなんですよ。
そうしたいと思ってこういうサロンも開いています。 |
いろんな企業の方から素材をお預かりして、お客様にお会いしないで描いていた時期もあったんですが、そういう仕事は、身につけていただく方の顔が全く見えないので、なんとなく寂しいなと。
それよりはまずサロンに来ていただいて、その方といろんな話をしながらデザインをしたり、宝石を組み合わせてあげたりする。そうすると「ピタッ」と合うものが浮かんでくるのです。
宝石は自然のものだから、この人に付けて欲しいっていうのがなにかあるんですよ。そういうものとその方がピタッと合ったら、お互いのエネルギーが高まるというんでしょうか、美しいというだけじゃなくて、すごく勇気が出てきたり、楽しくなったり、男女に関係なくそういう力があると私は信じてるし、いろんな方を見てきましたけど、やはりジュエリーパワーはすごいなと感じます。女性だったら美しくなってきたり、男性だったら仕事への自信が強くなったりします。
だから私は人と石がピタッと合っていただくための仲介をしているデザイナーなのかなと思います。 |
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人と人との出会いもそうなんですが、石は歴史の長さが違いますよね。
人だったらせいぜい生きても100年ですが、宝石って何億年とか何千年でしょ。歴史をずーっと地球の内部で見てきた、感じてきたものの波動が人に与える影響ってのはすごく大きいですよね。
石も人と同じように、単純に綺麗なほうがいいっていうことじゃないんです。人間もそうですよね。ビジュアル的なだけの美しさだけではないですよね。お花だっていろんな花があるように宝石も色々あるんですよ。
石にキズがあったとしても、それは人間が「キズ」って言ってるだけなんです。ダイヤモンドの「グレード」だって、人間が決めたものですし。 石の色が薄いとか、ランク・グレードがどうとか、ただそういう単純な事で、価値があるとかないとかって決めるのは違うんじゃないかなと。 |
例えば、石の中には、何万年もの間に中から高圧とか高温で作られた内包物があるんですよね。インクルージョンっていうんですけど。それは石の個性なんです。その個性を活かせるデザインというのも絶対あるんですよ。
お花にはいろんなお花があるように、宝石もいろんな宝石がある。
市場の中では確かに「高いモノ」っていうのはあるけど、値段とは関係なくやっぱりそれぞれの使命があるから、それをちゃんとお伝えして、着けていただいて。
そうした瞬間に「パンッ」て輝くんですよ。
その石の持ち味を活かしてデザインしたら、その石はキラキラって喜んでくれる。
それを見いだすのも私の仕事だなぁと。
原石は光らないんですけど、光らないなりの美しさもあるんですよ。
そういうのは人間が作れないものだから、創造主に対しての感謝を考えて作っていくっていうのも大事だと思っています。 |
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伝えないと分からないってことってありますよね。ただお店にならんで高いの安いのって、そういうことで価値が決まってしまうのは、ちょっと人間のエゴかなって思います。そんなことも伝えたいと思うんですよね。
原石が私に会って命を吹き込まれて美しくなってくれて、それを身に着ける人も美しくなってくれて。
そういうのをつなぐ役目が私の役目だと思ってます。
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